03-3938-0022 月〜金 8:30〜17:00 (定休日:土日祝)

PFAS対策の方法を徹底解説!地域の水道から除去するには

お役立ち資料を無料公開中!

「PFASが地域の水道で、検出されないか心配…」
「PFASの水道水への混入は、どのように対策すればいいのだろう…」

最近、全国各地でPFAS(有機フッ素化合物)の検出が報告されており、自分の地域の水道は大丈夫なのか心配になりますよね。

PFASは自然界でほとんど分解されず、地下水や水源に入り込むと長期間残留する性質があります。人体でも分解されにくいため、体内で蓄積されると健康への影響も甚大です。

地域の水道水からPFASが検出された自治体や水道業者には、原因調査・住民への情報提供・代替水の確保など、大きな負担が生じます。

本記事では、PFASの性質や健康への影響、水質検査の進め方、PFASが検出された場合の対処法などを紹介します。

PFAS(有機フッ素化合物)の特徴|どうして健康に悪いの?

PFAS(有機フッ素化合物)の特徴|どうして健康に悪いの?

PFAS(有機フッ素化合物)は、主に炭素とフッ素からなる化学物質の総称です。耐熱性や撥水性に優れ、以前は泡消火剤やコーティング、半導体製造などで利用されてきました。

「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれ、自然界で分解されにくいのが特徴です。環境中に流出すると長期間分解されずに地下水や河川を通じて広がり、水道水に混入します。

体内に取り込まれると血液や臓器などに悪影響を及ぼし、体外に排出されるまでに時間がかかることが知られています。

人体に影響があるとされる具体例は、肝機能の変化・コレステロール上昇・免疫・甲状腺への影響などです。

こうした状況を踏まえ、日本では水道水中のPFASを継続的に監視し、安全確保に向けた対策強化が進んでいます。

PFAS対策の手順は水質検査をしたあとに適切に対処すること

PFAS対策の手順は水質検査をしたあとに適切に対処すること

地域のPFASを対策するには水質検査をしてから、基準値を超えるPFASが検出されたら適切に対処しましょう。ここでは、PFAS対策の詳細を以下の手順ごとに解説します。

  • 基準値を超えるPFASがないか水質検査をする
  • 住民の血液検査で地域の水道のPFAS汚染が確認できる
  • PFASの除去方法3選

それぞれ詳しくみていきましょう。

基準値を超えるPFASがないか水質検査をする

PFASの検査を行う際は、まず厚生労働省が定める暫定目標値を確認する必要があります。

日本では、PFASのうち環境や人体への影響が特に懸念されるPFOSとPFOAの合計で、50ナノグラム毎リットル(ng/L)が水道水中の暫定目標値とされています。この値を超えると、水道事業者や自治体は速やかに原因調査と対策を検討しなければなりません。

水質検査では非常に微量なPFASの含有を検出する必要があり、分析には高精度の機器と適切なサンプリング手法が求められます。

環境省や国土交通省は、公共用水域や地下水を対象にPFASが含まれていないか、全国の自治体に水質検査の実施を呼びかけています。

水質検査によりPFASが検出されたら、発生源を明らかにしなければなりません。水道水のPFAS汚染の原因が特定されたら、更なる汚染を防ぐための対策が求められます。

今は基準値を下回っていても、その後も継続的なモニタリングを行ってPFASの混入を早期に発見し、地域の水道水の安全性を確保しましょう。

参考:厚生労働省|PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き(第2版)

住民の血液検査でPFASが確認されることがある

地域の水道水がPFASに汚染されている可能性が、住民の血液検査によって示される場合があります。

日本のある地域では、2023年秋に自治体が実施した血液検査の結果、住民の血中から健康リスクが高まるおそれのある濃度のPFASが確認されました。

このケースでは、使用が禁止される前の2012年までPFOAを製造していた企業の工場排水がPFASの発生源とみられています。

PFASは一度環境中に放出されると分解されにくく、長期間にわたって地下水を通じて広がるため、工場がPFASの取り扱いを停止した後も、影響が続くおそれがあります。

PFASの除去方法3選

ここでは、主な除去方法を3つ紹介します。

  • 逆浸透膜
  • イオン交換
  • 吸着除去

上記の方法は、環境中で残留しやすいPFASの除去に有効です。太陽油化ではこれらの方法を状況に合わせて提案します。

PFASの分析や除去でお困りの方は、以下のリンクよりぜひご相談ください。

PFAS(PFOA、PFOS、PFHxS)廃棄にお困りの方へ

逆浸透膜

逆浸透膜(RO膜)は、水を極めて細かい孔径の半透膜に通してろ過する仕組みで、適切な膜を使用し正しく運転管理されている場合、多くのPFASにおいて高い除去率が期待できます。

ただし、逆浸透膜の導入には一定のコストや運転管理が必要です。膜の交換や定期的な洗浄を怠ると、膜の目詰まりやろ過性能が低下するおそれがあります。

また、除去過程ではPFASを含む濃縮水が発生するため、その処理にも配慮が求められます。

導入時は、除去性能の確認や維持管理体制の整備が重要です。

イオン交換

イオン交換は、水中のPFASを樹脂に吸着させて除去し、他の無害なイオンと交換させる技術です。

水のpHや温度に影響を受けにくく、一定水準以上の除去効率を維持しやすい方法です。水道水処理現場や地下水、産業排水など、地域の幅広い水資源で活用できます。

イオン交換樹脂は洗浄しながら繰り返し再生して使用可能ですが、PFASを除去した液は、廃液処理が必要になります。また、樹脂には寿命があるため、定期的な交換が求められる点にも注意が必要です。

イオン交換樹脂の定期的な再生・交換・メンテナンスにより、運用コストがやや高くなる点はデメリットとなります。

吸着除去

吸着除去は、活性炭などの吸着剤を用いて水中のPFASを取り除く方法です。活性炭は無数の微細な孔を持つ多孔質構造で、表面積が大きいため、PFAS分子を効率よく吸着します。

水が活性炭の層を通過する際、PFASが炭の表面に付着して分離される仕組みです。

設備構造が比較的シンプルで、家庭用の浄水フィルターから大規模な水処理施設まで幅広く導入されています。

特に粒状活性炭は定期的に再生すると長期間の運用が可能であり、比較的コストを抑えられます。

ただし、PFASの種類や濃度、活性炭の使用時間によっては吸着性能が低下することもあるため、定期的なメンテナンスは不可欠です。

活性炭の吸着限界を超える前に交換や再生を行うと、除去効果を長期間保てます。

家庭でできるPFAS対策

家庭でできるPFAS対策

家庭で始められるPFAS対策は、安全な飲料水の確保です。ここから、詳しく解説します。

ウォーターサーバーや浄水器を使う

PFAS除去機能を備えた浄水器やウォーターサーバーを利用すると、飲用水や調理に使う水にPFASが含まれるのを防ぎやすくなります。

PFASは分解されにくく、一般的な浄水フィルターでは除去できない場合があります。

使用するウォーターサーバーや浄水器は、逆浸透膜(RO膜)や活性炭フィルターなど、PFASを除去しやすい構造を採用した機種を選ぶのがおすすめです。

また、逆浸透膜タイプの浄水器に比べ、活性炭フィルターを使用したタイプは交換のしやすさや導入の手軽さが特徴です。

家庭用ウォーターサーバーの中にも、PFASを除去できる機種が増えています。

メーカーが公表する除去性能試験の結果を確認し、PFAS除去に対応しているかを事前に確認しましょう。

加熱してもPFASは残る場合がある

PFASの中には熱に強い性質を持つものもあるため、一部のPFASは高温でも残存し続けることがあります。

また、加熱や蒸発によって水分が減少すると、PFASの濃度が相対的に高まるおそれがあります。

PFASの混入を防ぎ安全に利用するには、加熱ではなくPFAS除去性能を持つ浄水器やウォーターサーバーの使用が有効です。

日本におけるPFAS規制の詳細|外国と比べて規制は強いの?

日本におけるPFAS規制の詳細|外国と比べて規制は強いの?

日本では、PFASのうち、環境や人体への影響が特に懸念される3物質、PFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)・PFHxS(ピーエフヘキサエス)が規制対象とされています。

厚生労働省は、水道水中のPFOSとPFOAの合計濃度が50ナノグラム毎リットル(ng/L)を超えないよう、暫定目標値を設定しています。

日本・海外におけるPFAS規制の基準値の一例は、以下の通りです。

  • 日本:PFOS+PFOA=50ng/L
  • アメリカ:PFOS=4ng/L、PFOA=4ng/L
  • 欧州:PFAS(20種類合計)=100ng/L、PFAS総量=500ng/L

アメリカは、PFAS汚染が世界で初めて問題となったこともあり、PFOSとPFOAそれぞれに日本よりも厳しい規制を設けています。欧州では日本よりも圧倒的に多い、20種類以上のPFASが規制対象です。

アメリカや欧州と比べると日本の基準はやや緩やかですが、環境省と国土交通省が連携して各地で水質検査を呼びかけており、発生源調査の厳格化が進んでいます。

日本でのPFAS規制の詳細を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

日本で規制されている3種類のPFASとは?PFASを除去する方法を紹介

2026年よりPFASの法規制が強化される

2026年よりPFASの法規制が強化される

2026年4月から、水道水ではPFOSとPFOAの合計値について、50ng/L 以下という水質基準が法的に定められます。

一方で、公共用水域・地下水についても同じ数値(50ng/L)が正式な指針値として設定されています。こちらは PFOS・PFOAに加えて、PFHxS など他のPFASの規制検討を踏まえた評価枠組み として取り扱われる点が重要です。

参考:環境省|「水質基準に関する省令の一部を改正する省令」及び「水道法施行規則の一部を改正する省令」の公布等について

地域で基準値を超えるPFASが検出されるとどうなる?

地域で基準値を超えるPFASが検出されるとどうなる?

地域で基準値を超えるPFASが検出されると、自治体は長期間にわたって調査と対応を続けることになります。

ある地域では、2020年に浄水場の水からPFASが国の暫定目標値を超えて検出されました。このケースではPFAS汚染が発覚してからすでに5年以上が経過していますが、2025年現在も住民への説明や追加調査を継続している状況です。

「飲料水としての利用を制限し、代替水の供給や水源の切り替え」「健康への影響を確認するための血液検査」など、発覚後には時間やコストをかけた調査が求められます。

発生源の特定も必要であり、過去の排水経路や埋設設備など、複数の要因が絡むケースが多く発見は容易ではありません。

発覚が遅れるほど、住民は長期間PFASを含んだ水を使用することになり「なぜ早い段階で水質検査を実施しなかったのか」と反発が強まるおそれがあります。

水道水の水質検査は、できるだけ早い段階での実施が望ましいでしょう。

まとめ|PFAS対策を取って地域の水を安全に保とう

まとめ|PFAS対策を取って地域の水を安全に保とう

PFASは一度環境中に放出されると分解されにくく、地下水や河川を通じて長期間残留する性質があります。

自治体や水道事業者では、国の基準や最新の知見に基づいて、水質検査の実施が必要です。

また、今は基準値を下回っている地域でも、定期的な検査を続けることで、PFAS汚染の早期発見につながります。

地域の水道への信頼性を損なわないためには、住民への情報公開も必要です。

PFAS問題は、世界中で問題視されており、無視できるものではありません。継続的な対策を進め、安全で安心できる水環境を守り続けましょう。

太陽油化では、PFASの分析から処理まで一貫して対応でき、幅広い対策を提供しています。PFAS処理に関するご相談を、ホームページより承っております。

PFAS対策でお困りの方は、お気軽に株式会社太陽油化までご連絡ください。

PFAS(PFOA、PFOS、PFHxS)廃棄にお困りの方へ

SNSでシェア

コメントする

コメントは受け付けていません。

関連記事