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PCB分析は2025年の実施を推奨|電気機器の絶縁油を必ず確認すること

古い電気機器を利用している事業所では、絶縁油にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれていないか確認しましょう。

PCBは人体や環境に深刻な影響を及ぼす有害物質であり、廃棄物処理法に基づき厳格に管理されています。

絶縁油にPCBが含まれているかどうかの分析は、2025年頃までの実施が推奨されます。

とくに1972年以前に製造された変圧器やコンデンサーなどの機器を使用している事業者は注意が必要です。

本記事では、PCB分析の必要性や分析・処理業者の選び方などを解説します。PCBを含む絶縁油を排出している可能性がある事業者は、期限を過ぎる前に対応を進めましょう。

太陽油化では、PCBの分析から運搬、適切な処理まで一環して対応できます。以下のリンクより、PCB廃棄物処理の詳細をご確認ください。

太陽油化|PCB廃棄物処理

PCBとは?

PCBとは?

PCBは、かつて絶縁油や熱媒体として幅広く利用された化学物質です。

  • 水に溶けにくい
  • 沸点が高い
  • 熱で分解しにくい
  • 不燃性
  • 電気絶縁性が高い

上記のような汎用性の高い特徴を持っていたため、変圧器やコンデンサー、安定器など多くの電気機器に使われてきました。

とくに昭和初期から後期頃に製造された機械にはPCBが使用されている可能性が高く、現在も古い設備に残っている場合があります。

しかしPCBは脂肪に溶けやすい性質を持ち、体内に徐々に蓄積して健康被害を引き起こす点が大きな問題となりました。

発がん性や内分泌かく乱作用、免疫系への影響などが指摘され、環境中でも分解されにくいため長期にわたり汚染を残します。

近年PCBは製造・輸入ともに全面的に禁止されて、厳しく管理しなければならない「特別管理産業廃棄物」とされました。

PCB分析を行わなければならない理由

PCB分析を行わなければならない理由

以下の3つの流れから、早めにPCB分析をしておいた方がよいといえます。

  • 1968年PCBが原因でカネミ油事件が発生
  • PCBの処分期限が2027年のため2025年までにPCB分析をしておいた方がよい
  • 規制対象のPCBが含まれるかを調べるために濃度の分析が必要

PCB使用製品は1972年以降禁止されており、現在残存している低濃度PCB廃棄物の適正処理期限は2025年頃までに分析・確認を進めることが推奨されます。

ここから詳しくみていきましょう。

1968年PCBが原因でカネミ油事件が発生

1968年、福岡県を中心に「カネミ油症事件」と呼ばれる深刻な健康被害が発生しました。製造過程でPCBが混入した食用米ぬか油を摂取した人々が、皮膚障害や倦怠感、肝機能障害などの症状を発症し、多くの被害者を出したのです。

カネミ油事件をきっかけに、PCBの人体や環境への有害性が社会的に大きな問題として認識され、規制の動きが急速に強まっています。

その後の調査で、PCBに「水に溶けにくく環境中で分解されにくい一方、脂肪に溶けやすく体内に蓄積する」という性質が確認され、健康被害への懸念が高まりました。

日本では1972年にPCBの製造・新規使用が禁止され、既存機器に含まれるPCBについても厳重な管理が義務づけられることになりました。

PCBの処分期限が2027年のため2025年までにPCB分析をしておいた方がよい

日本では、PCBを含む電気機器や絶縁油の使用を段階的に禁止し、最終的に廃棄を完了させる方針がとられています。

環境省は、PCBを含む機器や廃油を2027年3月31日までに処理完了することを定めているため、その前提で2025年頃までにPCB濃度分析を完了しておいた方がよいでしょう。

この措置は、まだ全国の事業所にPCBを含む可能性のある古い変圧器やコンデンサーが残存しているため行われています。

分析を行わずにPCBが含まれている機器を放置すれば、処理期限までに対応できず、法令違反となるおそれがあります。

また、PCBは環境中に拡散すると長期にわたり汚染を引き起こすため、早急に確認・処理を進めましょう。

事業者は「自社の設備にPCBが含まれるか」を速やかに調査し、期限内に安全に処理する必要があります。

規制対象のPCBが含まれるかを調べるために濃度の分析が必要

PCBを含む絶縁油を適切に処理するためには、まずその濃度の把握が必要です。

廃棄物処理法では、絶縁油中のPCB濃度が0.5mg/kgを超えるものは規制対象とされ、厳格な管理・処分が義務づけられています。

PCBの濃度が基準以下の絶縁油であれば通常の産業廃棄物として処理できますが、基準を超える場合には指定された業者に処分を依頼する必要があります。

処分期限が近づいて焦らないためにも、2025年中にPCBの濃度分析を実施し、排出される廃油が規制対象に当たるかどうかを明確にしておいた方がよいでしょう。

分析を怠ると、2027年3月31日までに定められた処理期限に間に合わず、法令違反につながる可能性があります。

安全かつ確実に対応するためにも、早急にPCB分析を進め、処理計画を立てることが事業者の責務でしょう。

PCBの分析は認可のある業者に依頼する

PCBの分析は認可のある業者に依頼する

PCBの有無や濃度を正確に調べるには、行政から認可を受けた専門業者に依頼する必要があります。

自己判断で処理すると法令違反につながるおそれがあるため、必ず許可を持つ業者に相談してください。

太陽油化は、PCB廃棄物の分析・処理に関して正式な認可を受けている業者であり、分析から処理まで一貫対応が可能です。

事業所ごとに最適な方法を提案し、安全かつ確実な処理をサポートしています。PCB分析や処理でお困りの事業者様は、ぜひ下記リンクより詳細をご確認ください。

太陽油化|PCB廃棄物処理

PCBの分析を依頼してからの流れ

PCB分析を依頼してからは、大きく分けて次の3つのステップで進みます。

【STEP1】判別・分析
専門スタッフが現地を訪問し、機器や絶縁油の使用状況を調査。結果をもとに、PCBを含む可能性があるかどうかを判別し、分析や処理にかかる見積もりを作成。

【STEP2】搬出・運搬
処理内容に応じた見積もりをつくって、運搬計画を作成。廃油が漏れないように安全対策を徹底したうえで、認可を受けたルートで適切に搬出・運搬。

【STEP3】処理・手続き
PCBを含むと判定された場合は、処理を行う。処理の進行状況や完了後の報告も行われる。

太陽油化ではPCBの調査から搬出、最終処理まで一貫して対応しています。事業所の手間を最小限に抑えつつ、法令に則った安全なPCB処理を実現可能です。

PCB分析の費用

PCBの分析から処理するまでには、まず分析の費用がかかります。分析結果からPCBの処理が必要だと判断されると、収集・運搬と処理の金額が必要です。

各工程ごとに見積もりを出します。必要な金額は状況によって異なるため、お気軽に太陽油化までご相談ください。

太陽油化|PCB廃棄物処理

基準値を超える濃度のPCBを含む絶縁油はどうする?

基準値を超える濃度のPCBを含む絶縁油はどうする?

ここでは、基準値を超える濃度のPCBが見つかった場合のその後の流れを説明します。

2027年3月31日までに適切に処分する必要がある

すべてのPCB廃棄物は2027年3月31日までに処分を完了させることが義務づけられました。

処理方法は、絶縁油に含まれるPCBの濃度によって異なります。

  • 0.5mg/kg超 … 特別管理産業廃棄物(高濃度PCB廃棄物)として規制対象
  • 0.5mg/kg以下 … 通常の産業廃棄物として処理可能

絶縁油中のPCB濃度が0.5mg/kgを超える場合は「特別管理産業廃棄物」に指定され、通常の産業廃棄物とは異なり、厳格なルールにしたがって処分しなければなりません。一方で、0.5mg/kg以下であれば通常の産業廃棄物として扱うことが可能です。

基準値を超えるPCBを放置したまま、2027年3月31日を過ぎると法令違反となります。早めにPCB分析を行い、適切な処理を進めることが事業者の責務です。

参考:環境省|今後のPCB廃棄物等の適正な管理及び処理について

PCBを処分する4つの手順

PCBを処分する際には、以下の4つの手順で進めます。

  1. 特別管理産業廃棄物の収集運搬業者に回収を依頼する
  2. マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行する
  3. 専門業者に回収してもらう
  4. 最終処分場から返送されたマニフェストを受け取る

それぞれの手順を詳しくみていきましょう。

1.特別管理産業廃棄物の収集運搬業者に回収を依頼する

PCBを含む絶縁油の濃度が基準値を超えた場合は、まず特別管理産業廃棄物の収集運搬業許可を持つ業者に回収を依頼する必要があります。

高濃度PCB廃棄物は極めて有害であるため、一般の廃棄物業者では取り扱えません。許可業者に依頼すると、法令に沿った適切な管理のもと、安全に運搬を進められます。

2.マニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行する

PCBの処理を委託する際、依頼する業者はマニフェスト(紙または電子)を交付しなければなりません。業者から渡されたマニフェストの内容は、必ず確認しておきましょう。

マニフェストは、運搬・処理過程の追跡手段として重要で、不法投棄や処理漏れのリスクを防ぐために発行されます。

また、交付された写しは5年間保存し、必要に応じて報告義務を果たさなければなりません。

3.専門業者に回収してもらう

事前に打ち合わせた日程で専門業者が現場に訪れ、PCBを含む絶縁油を適切な容器へ移し替えて安全に搬出します。

作業中は漏れや飛散が起きないよう厳重な管理が行われ、梱包や封かんも法令基準にしたがって実施されるため、事業者は安心して任せられるでしょう。

4.最終処分場から返送されたマニフェストを受け取る

PCB廃棄物が最終処分場で処理されると、完了を証明するマニフェストが事業者のもとへ返送されます。

これは処分が適正に終了したことを示す重要な記録であるため、受け取ったら内容に誤りがないか確認しましょう。

返送されたマニフェストを正しく管理しておくことで、処理の透明性を確保し、万一のトラブルにも備えられます。

まとめ|PCB分析を行い基準値を超える場合には適切に処理しよう

まとめ|PCB分析を行い基準値を超える場合には適切に処理しよう

PCBは人体や環境に深刻な影響を及ぼすため、廃棄物処理法で厳しく規制されています。絶縁油にPCBが含まれるかどうか早めに分析しておきましょう。

基準値を超えるPCBが含まれている場合には、2027年3月31日までに処分を完了しなければなりません。

濃度が0.5mg/kgを超える場合は「特別管理産業廃棄物」として専門業者に依頼し、マニフェストを確認しながら安全に処理を進める必要があります。

回収から最終処分までの流れをきちんと把握し、返送されたマニフェストの管理も事業者の責務です。

期限を過ぎれば法令違反となるため、早めに分析を行い、計画的に処理を進めると安心につながるでしょう。

太陽油化は、PCB廃棄物収集運搬許可事業者です。太陽油化にPCBの分析をご依頼いただくと、分析・運搬・処理までのすべての作業が可能です。

作業内容の詳細やお問い合わせは、以下のリンクよりご確認ください。

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