事業活動による排水から発生する「汚泥」は、産業廃棄物として法令に基づき適切に処分しなければなりません。
その中でも有害な物質を多く含む汚泥は特別管理産業廃棄物として扱われ、より厳格な管理が求められます。
「排出事業者としてどうすれば汚泥を問題なく処分できるのか」と、疑問を感じている方もいるでしょう。
本記事では、産業廃棄物の汚泥の基本的な考え方や種類、排出事業者が行うべき処理手順などを解説します。
産業廃棄物の汚泥処分に悩んでいる事業者は、ぜひ参考にしてください。
産業廃棄物の汚泥とは
ここでは、産業廃棄物の汚泥に関して詳しく解説します。汚泥の種類ごとに処分方法が異なります。詳しくみていきましょう。
汚泥の種類
産業廃棄物の汚泥は、主に含まれる物質によって以下の2種類に分けられます。
- 有機汚泥
- 無機汚泥
これらの汚泥の分類は、性状や有害性の有無などに関わります。
有機汚泥
有機汚泥とは、食品残渣や動植物由来の成分など、有機物を多く含む汚泥を指します。主に食品工場・飲食店・下水処理施設・畜産関連施設などから排出され、排水処理の過程で沈殿・分離して汚泥となります。
無機汚泥と比べて腐敗が進みやすい性質を持つため、悪臭の発生や衛生面への影響を踏まえて、処理方法を検討しなければなりません。
また、有機物を多く含む点から、堆肥などへの再資源化がしやすい廃棄物です。
発生源や性状を把握したうえで、適切な処理方法を選択する必要があります。
無機汚泥
無機汚泥とは、砂・金属成分・鉱物質などの無機物を多く含む汚泥のことです。主に製造業の製鉄・金属加工工場や建設関連施設などから出る排水により発生します。
有機汚泥と比べて腐敗や悪臭が生じにくい一方、重金属や化学物質などの有害物質を含む場合があります。
とくに有害な成分を多く含む場合には、特別管理産業廃棄物として扱われるケースもあるため、性状の把握が必要です。
特別管理産業廃棄物の場合、一般の産業廃棄物よりも処理できる業者の数が少なくなります。委託業者を検討する際には注意しましょう。
産業廃棄物と一般廃棄物の汚泥の違い
汚泥は発生源ごとに、産業廃棄物・一般廃棄物に区分されます。
工場や事業所などの事業活動にともなって発生する汚泥や、自治体が管理する下水処理施設は、産業廃棄物として扱われます。一方、一般家庭から排出される生活排水から発生する汚泥は一般廃棄物です。
同じような性質を持つ汚泥でも、発生源が異なれば区分も変わります。産業廃棄物に該当する汚泥は、排出事業者が処理責任を負い、許可を受けた処理業者へ委託しなければなりません。
区分を誤ると法令違反につながる可能性があるため、発生状況を正しく把握したうえで適切に対応する必要があります。
特別管理産業廃棄物として扱われる汚泥とは
汚泥のうち、重金属や有害な化学物質を多く含むものは、特別管理産業廃棄物として処理しなければなりません。
特別管理産業廃棄物は、通常の産業廃棄物よりも人の健康や生活環境への影響が大きいため、収集運搬や処分にあたって厳格な基準が設けられています。
特別管理産業廃棄物に該当する汚泥は、処理できる業者が限られており、無許可の業者へ委託すると排出事業者が法的責任を問われるおそれがあります。
そのため、汚泥の性状を正しく把握したうえで、対応可能な業者を選定しなければなりません。
太陽油化は、特別管理産業廃棄物に該当する汚泥の処理にも対応しており、性状確認から収集運搬、最終処理まで一貫して対応できます。
汚泥の処分をどこに依頼するか悩んでいる事業者は、以下のリンクよりぜひ太陽油化にご相談ください。
汚泥はどこで発生するのか|処分を検討するべき事業者
汚泥は、以下のようにさまざまな事業活動にともなう排水処理や設備運転などの過程で発生します。
- 工場や製造業の排水処理設備
- 食品工場や飲食関連施設
- ビルや商業施設の排水槽・浄化槽
- 下水処理施設や中継ポンプ場
- 畜産施設や農業関連設備
このように、業種や施設の規模を問わず、多くの事業所で汚泥の処理が求められます。業種や施設の用途によって汚泥の性状や量は異なり、それぞれに適した処理方法の検討が必要です。
事業活動で排出される汚泥は、排出事業者が責任を持って処分を行わなければなりません。
汚泥は定期的に発生するため、計画的な処分体制の構築が求められます。処理が必要になった際に慌てないよう、早めに処理業者へ相談しておきましょう。
産業廃棄物汚泥の排出業者が行う4つの処理手順
産業廃棄物の汚泥を排出する事業者は、以下の4つの手順で処理を進めましょう。
- 依頼する処理業者の選定
- 産業廃棄物処理委託契約書の締結
- マニフェストの発行
- 汚泥の適切な保管と委託
- マニフェストの保管
ここから、それぞれの手順を詳しく説明します。
1.依頼する処理業者の選定
産業廃棄物の汚泥を処分する際には、依頼する処理業者の選定が必要です。
汚泥は性状や水分含有率、含有物などによって処理方法が異なるため、排出される汚泥に対応できる設備を備えているか確認しましょう。
収集運搬から中間処理、最終処分まで一貫して対応できる業者であれば、手配や管理の負担を抑えやすくなります。
また、汚泥処理の実績が多い業者は、現場ごとの状況に応じた提案が可能です。特別管理産業廃棄物に該当する汚泥を扱う場合は、自治体からの許可の有無も確認しなければなりません。
処理業者の選定に悩んでいる場合は、以下よりぜひ太陽油化へご相談ください。
2.産業廃棄物処理委託契約書の締結
汚泥処理を依頼する業者と産業廃棄物処理委託契約書を締結します。基本的に業者から提示されるため、必要事項を記載して締結しましょう。
産業廃棄物処理委託契約書の締結を怠ると、排出事業者が委託契約書の作成義務違反や委託基準違反に該当してしまう場合があります。
また、処理内容に誤りがあったり自治体から許可を得ていない業者と契約したりしてしまった場合も、排出事業者の責任が問われます。
汚泥を委託する前の締結が必要です。もし業者から話がない場合には、問い合わせてください。
3.マニフェストの発行
産業廃棄物の汚泥を処理業者へ委託する際は、マニフェストの発行が必要です。汚泥を処理業者に引き渡すまでに準備しておきましょう。
マニフェストは、汚泥が適切に収集運搬・処分されたかを確認するための管理票であり、排出事業者には交付と管理の責任があります。
近年では紙の管理票の代わりに、日本産業廃棄物処理振興センターが管理する電子マニフェストを利用する事業所も増えています。電子マニフェストは、交付や確認をオンラインで行えるため、記入漏れや紛失のリスクを抑えやすく、管理の手間の軽減が可能です。
継続的に処理を委託する場合は、発行手順を簡略化できる電子マニフェストの活用をおすすめします。
4.汚泥の適切な保管と委託
汚泥に限らず産業廃棄物は、処理業者へ引き渡すまで排出事業者が適切に管理する必要があります。保管中は飛散・流出・悪臭を防ぐため、可能な限り密閉できる容器を使用し、飛散・流出・悪臭の防止に努めましょう。
容器や保管場所には産業廃棄物の種類・排出年月日・排出事業者名などを明記し、関係者以外が触れない状態にしておくと安心です。
なお、排水槽の定期点検にともなって発生する汚泥などの場合、清掃後にそのまま処理できる業者に依頼すると保管の必要はありません。
引き渡し時には、汚泥の種類・数量・性状を正確に伝え、マニフェストの記載内容と一致しているか確認します。引き渡し時の対応は、基本的に処分業者の指示にしたがって動けば問題ありません。
事前に処分業者との情報共有を行うと、回収後のトラブルが起こりにくくなります。
5.マニフェストの保管
産業廃棄物の汚泥を処分したあと、業者からマニフェストが返送されます。マニフェストは排出事業者が適切に保管しなければなりません。
排出事業者は、マニフェストを5年間保管しなければならないと義務付けられています。電子マニフェストを利用している場合も、データはシステム上で5年間保存される仕組みです。
また、マニフェストは、汚泥が適切に収集運搬・処分されたことを証明する重要な書類であり、行政から確認を求められる場合もあります。処理状況の確認やトラブル発生時の対応の際に確認できるよう、保管する必要があります。
マニフェストを返送されたあとは、最終処分完了の報告まで確認し、記録を確実に管理しておきましょう。
参考:マニフェストの管理運用|マニフェスト|処理企業の方へ|公益社団法人 全国産業資源循環連合会
日本の全産業廃棄物の43.5%は汚泥
令和2年度のデータでは日本で排出される産業廃棄物の総量のうち、約43.5%は汚泥が占めており、排出量が非常に多いとわかります。
汚泥は製造業の排水処理や下水処理、各種設備の清掃など、幅広い事業活動から日常的に排出されています。
発生量が多い分、処理が滞ると保管スペースの圧迫や管理負担の増加につながりやすく、事業運営への影響も無視できません。
汚泥は継続的に発生するため、一時的な対応ではなく、安定した処分体制を整える必要があります。発生量が多いことを前提に、信頼できる処理業者と連携し、計画的な処分体制の構築が重要です。
参考:令和3年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書|環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課
汚泥の処分価格は比重によって変わる
一般に汚泥の処分価格は、含まれる水分量や成分によって決まる「比重」の違いで大きく変わります。
比重とは、同じ体積あたりの重さを示す考え方です。汚泥は重量の計測が困難な場合が多いため、代わりに比重による金額の算出がよく行われます。
水分が多く比重が高い汚泥は同じ体積でも重量が増え、結果として処分費用が高額になりがちです。
まとめ|太陽油化では産業廃棄物処分に関するすべてに対応可能
産業廃棄物に該当する汚泥は、性状や含有成分によって処理方法が異なり、排出事業者には適切な管理と処分が求められます。
また、排出される汚泥が特別管理産業廃棄物に該当する場合は、対応できる業者が限られるため、委託先の選定が重要です。
処理業者を選ぶ際は、必要な許可を保有しているか確認しましょう。さらに、収集運搬から中間処理、最終処分まで一貫して任せられる体制が整っている業者に委託すると、手順ごとに別の業者に依頼する必要がありません。ただし、再委託の有無や管理体制についても確認しましょう。
太陽油化では、産業廃棄物汚泥の収集運搬から処分まで幅広く対応しています。
産業廃棄物処分を安心して任せたい事業者は、ぜひ太陽油化へご相談ください。






